第1回 エコーネットコンソーシアム運営委員長 平原 茂利夫 氏
「参加者の広がりが、認証センター設立の機運に」
平原 茂利夫 氏 【略歴】
1992年 (株)東芝 入社。家電製品の制御に関する研究、開発業務に従事。2001年より、同社にてECHONETプロトコルを採用したホームITシステム「フェミニティ」の開発業務に従事。2011年 エコーネットコンソーシム 運営委員長に就任。
Q. HEMS認証センターが出来る意味を教えて下さい。
様々な人が参加して相互接続の試験が可能になることが一番の意義だと考えています。従来までは単独のメーカーが、機器やコントローラーなどの、全てを作って相互接続を担保してきました。しかし、これからは、機器だけ作りたい人、コントローラーを作りたい人、アダプターだけを作りたい人など多種多様な事業の形が考えられます。その際、“繋がるか否か”の検証ができる場所があることの意義はとても大きいと考えています。それにより参加者の裾野を広げることができること、それが一番のメリットです。
Q. 認証センターは標準化のインターフェイスを司るには必須のものですが、なぜ今までECONETには認証センターやそのような認証システムが無かったのですか?
本来は必要な物だったのですが、まだマーケットが成熟していなかったというのが大きな要因です。これまでは、まだホームネットワークというものに、マーケットの皆さんが関心を示していませんでした。だからこそ、まずはメーカーが各々1社ごとのシステムを創りあげようというのが、最初の流れでした。そのような状況だったため、接続に関する認証というのは仲間内だけですむ話であり、社外に置く必要性はなかったのです。
しかし、ここ数年でマーケットが変化しました。次第にHEMSへの関心が高まり、インターオペラビリティが大切だという議論が出てきたのです。いわば、世の中の要請として、認証センターが必要になってきたという事です。機運となったのは、いろんな人が関心を持ってくれたことで、マーケットへの参加者が広がってきたということです。だからこそ、外部における第三者による認証センターが必要になり、今に至っています。
Q. エコーネットコンソーシアムのホームページには、セキュリティ機器をネットワークに繋ぎ、遠隔操作を行うなどのユースケースが記載されていますが、今後各社のサービスを接続していく中で、セキュリティへの対応はどうされていますか?
現在は、重要なセキュリティの部分に関しては、各社が独自のセキュリティ方式を採用しています。今後、各メーカー間の相互接続が可能になってきた場合、そのセキュリティに関しては、どう担保するのかという問題は、技術課題として認識しています。現段階は、各メーカーが独自のセキュリティで対応していますが、セキュリティを担保しながら相互接続を実現するという点においては、非常に大きな技術課題であると認識し、今まさに議論をしているところです。
インタビューへのご協力ありがとうございました。