第5回 株式会社GWソーラー HEMS開発部長 木村 博 氏  
     HEMS認証支援センター試験による認証 第1号
     「このような認証支援センターの設立を、今か今かと待っていました」

 

この度、HEMS認証支援センターで試験を行った機器によるECHONET Lite規格認証第1号が
誕生しました。(株)GWソーラーの分電盤です。   

センターでの試験の後、エコーネットコンソーシアムが定める所定の手続きを終え、正式に
ECHONET Lite機器として認証されました。
そこで、第5回目のインタビューでは(株)GWソーラーの木村部長にお話を伺いました。

 

 
 【略歴】
1983年日本情報研究所設立 (組み込み系システム開発)。
1997年にはPhoenix Technology にM&Aで移籍
     (組み込み系 Device開発、Network)。
2000年にSTIL社設立
     (組み込み系:USB/通信/Security/Connectivity関連開発販売)
2012年4月からGWソーラーへ移籍 (家庭内Network開発)し、現職。 
30年間、一貫して 組込系システム開発に携わる。特に、「接続性」、「通信」及び、「Security」に関連したシステム作りを主としている。

 
                                          
                                                (写真左から、木村様、叶(イエ)様,周(シュー)様)

 

■HEMS認証支援センターで試験を行った分電盤が認証を取得

Q GWソーラーとはどのような会社ですか。

 弊社はメインの事業として、太陽光パネルを製作しています。また、家庭の庭園用に小さな太陽光パネルを用いて昼間に貯めた電気で夜間に発光するライトなども作っています。さらに、太陽光パネルを主体にし、発電したものを家庭の中で利用できるように、全体的な管理・制御システムも作っています。

 

Q 今回HEMS認証支援センターでの試験機器としては初めての認証取得となったのですが、どのような商品で認証を取得されたのですか。

 今回は、分電盤に対して認証を頂きました。分電盤とは、発電した電力を各部屋へ使えるように分配するものです。また、家庭内で使用する電気は太陽光を使って発電するものと、電力会社から買うものとがありますが、その両方に対して「どのくらい発電したのか」や、「どのくらい売電したのか」などがわかるようにし管理・制御する機器です。今回、この分電盤がECHONETLite機器として規格に適合しているという認証をいただきました。

 

 

 

Q なぜこの認証支援センターを利用しようと思われたのですか。

 弊社はECHONETLite自体が初めてですので、どのような通信でどのように繋がるのかなどがわからない状態でした。そのため、何らかのテストを必要としていました。そんな中、HEMS認証支援センターの開所式の際に、ここにはエミュレーターなど接続を確認する機器が複数揃っているということを伺ったのです。これは利用しない手はないと思いました。認証支援センターの皆さんを急かすように、今か今かと利用が開始される事を待っていたのです。

 

■認証支援センターの利用で、製品化にかかるスケジュールを10ヶ月前倒し

Q 実際に行ったテストはどのようなものでしたか。

 実際に行った認証支援センターでのテストは3日間で終了しました。その際接続テストにおいて、10数件の課題が生じましたが、その度に中国にいる技術者と密に連絡を取り合いながら即座に解決できた事により、短い時間で充実したテストができました。
 もし認証支援センターがなかったら、エミュレーターなどを自社開発する必要がありました。実際、過去に弊社内で洗濯機の接続を試した際は、試験機器を自社開発しました。しかし、自社開発したエミュレーターは、試験機器自体が正しいのかどうかがわからないという大きな課題を抱えていました。第三者機関である認証支援センターの場合には、試験機器は正しいのが前提で、うまくいかない場合は我々の機器が間違えていることになりますが、自社開発の試験機器の場合、繋がらなかった場合は、果たして試験機器が悪いのか製品が悪いのか、一体どちらが悪いのかわからないのです。だからこそ、このようなセンターが必要なのです。認証支援センターがなければ、今頃は洗濯機の次にクーラーの接続を試すための機器を作っていたと思います。そのような自社開発をしなくてよかったおかげで、10ヶ月ほどスケジュールを前倒しすることができたと感じています。製品化が早くなったことは本当に嬉しいことです。

 

■認証支援センターによる試験結果により、社内の説得がスムーズに

Q 開発スケジュールが短縮できたとのことですが、その他に認証支援センターを利用したことでの効果はありましたか。

 私たちは、動く製品を作らなければいけません。しかし、開発した私達が「動きます」というだけではだめで、動くことに対する客観的な担保が必要で、それによりお客様からの信頼が頂けるということがあります。さらに、客観的な接続試験結果は社内における製品開発にも信頼を担保する効果があります。例えば弊社であれば、商品を販売する際は、様々な事業部に話を通す必要があります。そのような他部署へ説明する際に、第三者機関での接続試験にクリアーしたという事で商品に対する信頼が生まれるのです。
 このようにいろいろな形で、認証支援センターによる効果を感じています。是非これからも利用して行きたいです。

 

インタビューへのご協力ありがとうございました。

 

株式会社GWソーラー
【プレスリリース】ECHONET Lite規格を認証取得
http://www.gwsolar.co.jp/201304.pdf